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  • 2022.09.09

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特定技能制度と技能実習の違いとは?それぞれの違いとメリット・デメリットをご紹介

メリット・デメリット

在留資格に関する制度には、「特定技能制度」と「技能実習」(外国人技能実習制度)の2つがありますが、それぞれがどのように違うのか正確に把握している方は少ないかもしれません。そこで今回は特定技能制度と技能実習との違いと、それぞれのメリット、デメリットを紹介します。

特定技能制度と技能実習の違い

特定技能制度とは、人手不足が深刻とされる特定産業分野(14業種)において外国人労働者を受け入れられるように創設された在留資格のことです。

特定技能には、特定技能1号と特定技能2号があり、現時点で特定技能1号取得者がほとんどを占めています。特定技能2号は現在2業種のみで取得が可能です。

 

技能実習(外国人技能実習制度)は国際協力の推進を目的とした制度で、開発途上国の人材に日本で技能・技術・知識を培ってもらい、帰国後に発展途上地域でその技術を広め経済発展を担う人づくりに寄与するものです。

1993年に制度化されており、技能実習第1号、第2号、第3号があります。

入国1年目の技能などを習得する段階を技能実習第1号、入国2・3年目の技能などに習熟する段階を技能実習第2号、入国4・5年目の技能などに熟達する段階を技能実習第3号と呼びます。

 

出典:出入国在留管理庁 特定技能総合支援サイト

 

出典:厚生労働省. 「外国人技能実習制度について」

 

特定技能と技能実習の目的の違い

特定技能は日本企業の人手不足を補うことを目的にした制度です。

 

一方、技能実習制度は開発途上国出身者に現場での実習を通じて日本の高度な技術を習得してもらい、帰国後に培った技術を広めてももらうなどの国際貢献が目的となっています。

 

就業可能な業種・職種の違い

特定技能にて就業可能な業種・職種は次のとおりです。

 

  • 介護
  • ビルクリーニング
  • 素形材産業
  • 産業機械製造業
  • 電気・電子情報関連産業
  • 建設
  • 造船・舶用工業
  • 自動車整備
  • 航空
  • 宿泊
  • 農業
  • 漁業
  • 飲食料品製造業
  • 外食業

 

技能実習にて就業可能な業種・職種の一例は

次のとおりです。

 

  • 農業
  • 漁業
  • 建築
  • 食品製造
  • 繊維・衣服
  • 機械・金属
  • その他(家具製造、印刷、プラスチック成型、塗装、溶接など17職種30作業)

 

在留期間の違い

特定技能1号の在留期間は通算5年、特定技能2号は在留期間の上限がありません。

 

技能実習は第1号の在留期間が1年以内、第2号・第3号が2年以内、合計最長で5年の在留期間が設定されています。

 

転職の可否の違い

特定技能は就労資格とあるため、同一職種であれば転職が可能です。

 

一方、技能実習制度は実習が在留目的であるため、転職の概念が存在しません。つまり、同一職種であっても転職は不可能です。

ただし、所属先企業の倒産、技能実習2号から3号への移行の場合のみ、転籍が可能になります。

 

家族滞在の違い

特定技能1号・技能実習の外国人労働者とも、家族を日本に在留させられません。

ただし、特定技能2号の外国人労働者は、家族滞在資格で家族を日本に呼べます。

 

就労前後の関係者の違い

特定技能の場合、関係者は企業と候補者のみです。

 

一方、技能実習では企業と候補者に加えて、監理団体、技能実習機構、送出機関など、関係者が多いのが特徴です

 

受け入れ人数の違い

特定技能は人手不足の補填が目的のため、受け入れ人数に制限がありません。ただし、建築業など業種によっては、受け入れ人数が制限される場合があります。

 

一方、技能実習は技能移転が目的のため、適切に指導できるよう受け入れ人数に制限を設けています。受け入れ方式や企業の常勤職員数に応じて人数が変動するため、都度確認が必要です。

 

登録支援機関と監理団体の違い

登録支援機関とは、特定技能資格者を雇用する場合に発生する支援業務を代行できる法人をいいます。

四半期ごとの定期面談での就労者支援や行政への報告業務などが主な業務で、条件を満たせば民間団体や個人事業主も新規参入可能です。

支援を委託する費用は月2万円~3万5,000円程度が相場となります。

 

監理団体とは、実習生を受け入れる企業を管理する団体です。各企業で実習が適切に実施されるか監督するのが主な業務です。実習実施機関を3ヵ月に1回以上監査し、必要に応じて指導します。

非営利法人である協同組合が運営するため、民間団体や個人事業主は参入できません。

企業は団体に対して管理費を支払い、相場は月額3万円~5万円程度です。

 

特定技能のメリット・デメリット

特的技能のメリットは、一部の業種を除き受け入れ人数の制限がないことです。

また、技能実習よりも外部コストを抑えられる点や、技能実習よりも受け入れ後の事務作業が簡単な点もメリットとなります。

 

一方、海外で受験できる試験が限定されているため、技能実習と比較して候補者の確保が難しいことや、早期退職の可能性があることが特定技能のデメリットです。

 

技能実習のメリット・デメリット

3年や5年などまとまった期間で関係性を築けること、人材の確保が比較的簡単なことが技能実習のメリットです。

 

一方、外部に委託するコストが高い点や、受け入れ後の事務作業が煩雑な点、人材の自由度が低い点がデメリットとなります。

 

まとめ

外国人労働者の在留資格に関する2つの制度ですが、制度の目的や受け入れ可能な業種・職種、関係する団体など、さまざまな点で異なります。

受け入れを考えている場合は、両者の違いを把握した上で、どちらの制度を利用するのか目的を明確にする必要があるでしょう。

本記事を参考に特定技能と技能実習の違いについて、理解を深めましょう。

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